手の震えが気になるというお話

僕が医療関係の仕事に携わっているころ、服用している抗うつ剤の副作用からくる手の震えがすごく気になったことがある。


主治医先生に話すと、アーテンやらパーキネスとか震え止めの薬を出してくれたけど、一向に効かない。


緊張する(手が注目される)場面に遭遇すると、手の震えが酷くなる。


具体的に僕の場合はお酒の席でお酌やらご返杯やらでよく指摘されて恥ずかしい思いをした。お酒がこぼれるくらいガタガタと震え出す。あとは、冠婚葬祭の記帳(書痙?)やお茶だしとかよくある話。


主治医先生は「意識するから気になるのよ。」そりゃそうだ。そのために薬を飲んでいるのに。


どうしても手の震えが気になってしまって、本態性振戦で有名な神経内科の先生を受診したこともあった。もちろん主治医先生には内緒だ。色々検査してもらうと「貴方は手だけでなく目(眼球)や脚も震えていますね。」と言われた。「これはやっぱり精神科の薬の副作用ですね。震えに効く安定剤があるから主治医先生にお手紙を書いておきます。」と。


それでは受診したことが主治医先生にばれてしまう。まあ仕方が無い。主治医先生受診の日、結局、主治医先生は、神経内科医からの手紙をスルーした。手の震えに関しては何も無かったかのようだった。


何か言ってほしかった。患者が今一番気になっていることなのだから。


それからも手の震えについての悩みは続き、結局、精神科のセカンドオピニオンまでした。その先生は、インデラルというお薬を処方してくれた。今でも主治医先生に内緒でセカンド医への定期受診は続いている。


しかし、今ではお酒の席や冠婚葬祭の席も縁遠くなり、手の震えを意識する日は少ない。


それが一番、副作用も無くていいことだと思う。

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