薬って怖いね

4年前だろうか…うつが悪化して、主治医先生が電気ショック療法を試してみようということになって、中核病院に紹介入院となった。


紹介先の担当医はT先生。電気ショック療法を受けるほどうつが悪化しているわけではないということだった。それから、双極性障害と診断された。


それまでの主治医先生の処方を見直し、リーマスとセロクエルが処方された。双極性障害のうつ状態には原則、抗うつ薬は使ってはいけないらしい。これが一番エビデンスが高いですとのことだった。エビデンスがあっても自分に合うかどうかは別である。


ところで、1人の先生に長く診てもらっていることはうつ病を治療するうえで大事だと思う。まあ、うつ病のみならずどんな疾患でも大事なことだ。


主治医先生は自分の経過を知っている。悪化した時にどう対応したら良くなったか?患者がどういう人柄、性格なのか?どんな人生経験を踏んできたのか。などなど。


結局、入院期間中、リーマスとセロクエルでかなり頭の中を抑制され、意思のないような人間になってしまった。T先生は「抗うつ薬も必要かな?」と仰り、リフレックスを追加投与した。


しかし、抗うつ作用よりも、とにかく意思、思考抑制状態のような人間になってしまい、そこに過食による肥満、謎の尿酸値上昇(たぶんリフレックスによる思わぬ副作用)など散々だった。


ここからしばらく、意思、考えのないような人間+低空飛行のような状態が続き、昨年6月にリーマス200+アナフラで劇的に復活した。


今でも、主治医先生とよく話すのは「薬って怖いね」ということだ。

みんな生きるのに必死

今日は仕事でたまたま運送会社のおじさんと立ち話をすることがあった。


その人は僕が何故隔日出勤なのか?休みの日はどこかで働いているのか?など聞いてきた。


僕は隠しても仕方が無いのでありのままを話した。そうしたら、その運送会社のおじさんも脳梗塞を患いながら仕事をしているとのことだった。


僕は脳梗塞を患ってよく運送会社の仕事を続けることができましたねとビックリしながら聞いた。運転をはじめ、様々な障害に阻まれるであろうにと思った。


そのおじさんは、運転はかろうじて出来るけど、右手の握力や感覚が鈍っているとのことだった。他に頭の回転が鈍くなり素早い回転や会話が難しいと言う。高次脳機能障害は他の人には分かりにくい。


精神もそうだが目に見えない障害は分かりにくいんだ。そのおじさんも脳梗塞を患っているのには思えなかったし、おじさんから僕も精神を病んでいるとは思わなかったであろう。


おじさんは、朝6時から夜7時まで働いて30万弱もらってるとのことだった。いつ脳梗塞が再発するか分からない。収入はあるが崖っぷちだと思う。


僕も糖尿病と脳卒中だけにはかかりたくないと思う。生活の質が著しく落ちるからだ。


おじさんも僕も子供がまた小さい。みんな何かしらの苦悩を抱えて日々生きているんだと思う。生きるって大変で必死なんだよね。

手の震えが気になるというお話

僕が医療関係の仕事に携わっているころ、服用している抗うつ剤の副作用からくる手の震えがすごく気になったことがある。


主治医先生に話すと、アーテンやらパーキネスとか震え止めの薬を出してくれたけど、一向に効かない。


緊張する(手が注目される)場面に遭遇すると、手の震えが酷くなる。


具体的に僕の場合はお酒の席でお酌やらご返杯やらでよく指摘されて恥ずかしい思いをした。お酒がこぼれるくらいガタガタと震え出す。あとは、冠婚葬祭の記帳(書痙?)やお茶だしとかよくある話。


主治医先生は「意識するから気になるのよ。」そりゃそうだ。そのために薬を飲んでいるのに。


どうしても手の震えが気になってしまって、本態性振戦で有名な神経内科の先生を受診したこともあった。もちろん主治医先生には内緒だ。色々検査してもらうと「貴方は手だけでなく目(眼球)や脚も震えていますね。」と言われた。「これはやっぱり精神科の薬の副作用ですね。震えに効く安定剤があるから主治医先生にお手紙を書いておきます。」と。


それでは受診したことが主治医先生にばれてしまう。まあ仕方が無い。主治医先生受診の日、結局、主治医先生は、神経内科医からの手紙をスルーした。手の震えに関しては何も無かったかのようだった。


何か言ってほしかった。患者が今一番気になっていることなのだから。


それからも手の震えについての悩みは続き、結局、精神科のセカンドオピニオンまでした。その先生は、インデラルというお薬を処方してくれた。今でも主治医先生に内緒でセカンド医への定期受診は続いている。


しかし、今ではお酒の席や冠婚葬祭の席も縁遠くなり、手の震えを意識する日は少ない。


それが一番、副作用も無くていいことだと思う。